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第15回香港アジアオープン剣道大会にてタイAチームが優勝


3月1日に香港で開催されました第15回香港アジアオープン剣道大会におきまして、タイAチームが2年振りに優勝の栄冠をつかみました。男子団体戦は65チームが参加。タイからは3チームが出場しましたが、中でも本命のAチームは、全日本剣道選手権大会出場経験者2名を含む過去最強の布陣で臨みました。決勝戦はそれまで圧倒的な運動量と強さでトーナメントを破竹の勢いで勝ち進んできた韓国のソウルドリームチームとの一戦となりました。タイAチームは、昨年の第14回大会では準決勝で韓国に敗れての3位でした。その韓国との決勝戦となりましたが、試合は代表決定戦までもつれ込む一進一退の攻防の連続で、会場は悲鳴と歓声が鳴り止まぬ興奮のるつぼと化しました。1勝1敗2引き分けで迎えた大将戦。タイの大将は1993年第41回全日本剣道選手権大会で3位に入賞した出崎忠幸教士七段。大将戦の残り時間もあとわずかという局面で、試合場境界線を背にしての攻め合いを嫌った韓国の大将、宣剛原選手が審判にタイムを要求し中央開始線に戻って仕切り直した一合目。出崎選手の手元が浮いた瞬間をとらえた宣選手の小手に旗三本が上がりチームは絶体絶命の大ピンチに陥りました。もはやこれまでか、と会場の誰もが思った二本目の初太刀。「小手はこうやって打つんだ」と言わんばかりの出崎選手のかつぎ小手が見事に決まりこれでイーブンに。マンガのような展開に会場は割れんばかりの歓声に包まれました。

そして迎えた代表決定戦を任されたのは中堅戦を2-1で競り勝った森嵜誠一郎錬士七段。対する韓国は、2005年第53回全日本剣道選手権大会出場経験を持つ武井宏樹六段との次鋒戦を1-1で引き分けた李容準選手。恐ろしい速さで面を打つ強豪です。会場にいた全ての日本人剣士の期待と祈りを双肩に背負って森嵜選手が臨んだ運命の代表決定戦に終止符が打たれたのは試合開始からわずか18秒後のことでした。立ち上がりは李選手が片手突き。それを竹刀さばきであしらった森嵜選手が小手を狙うも空を切りつばぜり合いに。そこからお互いに引いた別れ際、李選手が森嵜選手の竹刀を叩いて高速面で飛び込んできたところに「無意識でした」という電光石火の出小手が炸裂。昨年の準決勝の雪辱を果たした上での優勝という最高の形で大会を締めくくることができました。

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